今日の古本と世界文学の新スタンダード「オスカー・ワオ」へのいざない

 三浦しをんさんの「まほろ駅前協奏曲」を買いました。

 最近読んだのは、「novel11,book18」と「オスカー・ワオ」。どちらも面白くためになる本でした。とくに「オスカー・ワオ」はボリュームのすごくある本で、知らない国の歴史が物語に盛り込まれていたり、アメリカのオタクカルチャーについての言及があったりと、非常に読みごたえがあります。

 知識に飢えていたり、様々な文化について貪欲な知的好奇心を抱いている読者にはうってつけの書物であるように思われます。是非消化器官に自信のある読者の方は挑んでみてはいかがでしょう。世界文学の新しいスタンダードの懐の深さに思わず唸り声を上げたくなるかもしれません。

 筋立ても簡単ではなく、親子三代の物語となっており、オタクのオスカー、母親からのいじめに耐えるロラ、一族の深い呪いを受け持つベリ、と三層仕立ての物語になっております。それぞれ異なる物語ですが、物語全体に、愛と恋の深い味わいが付与されており、読者によっては軽い眩暈を引き起こすかもしれません。

 しかしながら、一族がどのように愛と恋に関わってきたかを知れば、きっとなにがしか人間の営みについて腑に落ちるところがあるでしょう。皆さんの濃厚な読書体験を約束してくれるだろう「オスカー・ワオ」にぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。それでは失礼します。