人生の「少しずつ」について
少しづつ、が昔から好きである。
なんというか、ドバーッというのが苦手というか、まとまって動く何かを見ると、異様に不安感が湧き起こってきた。
例えば、プレゼント。クリスマスシーズンの異様な盛り上がりは、何故か苦手だった。
それは恐らく、人々が何かを一気に解決しようとして、行動に駆り立てられる姿が不気味に映ったからかもしれない。
大きなお金が動くのを見るのも相当に怖かった。
クリスマスシーズンとか、お正月の初売りみたいなものは、雪山の雪崩を見ているようなもので、「わぁ、溜まってるなあ」と感心しながらも、怖々眺めることになる。
僕にとっては、あのスピード感は恐怖以外の何物でもないように感じられる。
僕自身に関して言うと、やはり、醤油さしから醤油を出すペースが一番ほっとするようだ。
醤油さしは懸命にスローペースに徹している。あのスピード感に憧れる。
日々使うものだからこそ、丁寧に扱うし、キズもつきにくい。
誰もが手に取れる人気者であり、また、日々必要とされる実力者だ。人生は、一気ではなく、少しづつ。これに限るね。