とあるセンターにおける僕の日常

 僕は今日の朝、最寄りのバス停でバスに乗った。

 バスの乗り心地はさほど良くない。運転手さんは不機嫌そうで、乗客たちはむっつりと席に座っているのだった。

 僕がセンターに着くと、いつものように席に着き、コンピューターの電源を入れた。コンピューターには描きかけの絵が入っている。今日もこの絵を仕上げなくてはならない。

 昨日僕はほっともっとのお弁当を食べた。そのせいで今日はエネルギーが充実している。このところほっともっとは僕にいいパスを投げてきてくれていた。

 僕のセンターの主任さんはなかなか気合の入った男だ。大抵朝のこの時間にはセンターに出ておられて、そしてセンターの顔とも言うべき役割を果たす。それは……朝の挨拶である……。

 センターの利用者は言うまでもなく、社会復帰に何らかの困難を感じておられる方々である。従って、一日の気合いが足らない。僕のようにほっともっとからいいパスを投げてもらっている人間ばかりではない。それぞれの事情により、何らかのエネルギー不足を問題として抱えている方々も多いのだ。

 そんな時、主任の気合の入った挨拶がセンター利用者にエネルギーを注入する。それによりセンターの一日が始まるのだ。

 

 センターにはこのようにエネルギーの足らない利用者にエネルギーを注入してくれる職員さんが多い。従って、職員さんは時にエネルギー不足に陥る。とある女性職員さんの場合がそうだった。しかし、ここで深入りするのはやめにしよう。

 

 さて、一日の始まりは大体こんな風である。わかっていただけただろうか?

 社会復帰に必要なのは職員さんからのエネルギー注入だけではない。センター利用者が朝の段階でどれだけやる気があるのか、その日の作業予定を報告する作業も必要である。これがいわゆる「朝礼」と言われているものである。

 朝礼においては、一日のこなすべきタスクの量を、ドン!と宣言し、高らかにやる気を示すべきなのだが、やはり我々の覇気は社会人になるにはまだまだ足りない。どことなく覇気のない宣言が続く。やってのけるぜ!、という気迫がまだまだ足りないのだ……。