ブログにおける連載小説への試み①仮題「深夜の出来事」(続き)

 さて、尿意により挙動不審だったことが判明したコンビニ店員に、用を足してくる間だけ店番を頼めないか、とお願いされた僕は、快くそれを引き受けたのだった。カウンターの中に立った僕は、ふと、店内に設置された異様なまでの数の監視カメラに目がいくのを感じた。

 なぜこんなにたくさんの監視カメラが必要なのだろうか。確かにこのあたり有数の荒れ放題の地域とはいえ、この監視カメラの数は異常である。十台ほどあるだろうか。特に、成人用雑誌が陳列されたうらぶれた一角に監視カメラの目は集中して向けられていた。これが一体何を意味するのか、その時の僕には知る由もなかったのだが……。

 そうこうするうちに、例の尿意により挙動不審だった店員が店内に戻ってきた。

「あざーーーっす!!! すっきりしたっす。お礼に『シャンメリー』でもいかがっすか?」

「『シャンメリー』なんてガキの飲むものじゃないか」と僕。

「いいじゃないっすか。クリスマスなんで、シャンメリーが大量に余っちゃってて。どうです?硬いことは言わずに」

「そんなもん、お前みたいな下っ端の采配で勝手に客にふるまっても店長に怒られないのか?」と僕。

「へへーーん。実は、店長がこのところ、毎晩風邪で寝込んでる女子高生アルバイトの看病に行ってるんで、こっちはやりたい放題で。それに余ってる従業員は皆、チキンの配達で店を空けてるし……」

 その時、外で凄まじい風が吹いた。どうやら、本格的に冷え込んできたみたいだ。

「いいだろう。じゃあ、ちょっとだけ、ご馳走になるよ」

「じゃあ、こっちに来てください。ちょうど客もいないし、ブザーを設置しておけば奥の部屋で飲んでいても問題ないはずです」

「客が来るかもしれないからトイレに行くこともできないってさっきまで騒いでた奴のセリフかよ……」と呆れる僕。

「いや、実はそれには、ちょっとした大人の事情がありましてね。それも奥の部屋で話させてもらえれば……。まあ、そちらに興味がおありなら、という条件付きですがね。それでは参りましょうか」そう言って、尿意により挙動不審を隠せない様子だった下っ端店員は、僕をコンビニの「奥の部屋」とやらに案内したのだった……。今後の展開に要注意だ。TO BE CONTINUED!!