ブログにおける連載小説への試み①仮題「深夜の出来事」

 深夜のコンビニ。不審者も頻繁に立ち寄ると噂されるいわくつきのコンビニである。僕がそのコンビニに立ち寄ったのは、十二時も回る頃、近所の野犬さえ土管の中のねぐらに戻る時刻であった。

 僕はエネルギー補給用の、「KAGOME 野菜生活100 Smoothie 豆乳バナナ」を棚から取ると、それを持って、レジに向かった。レジに立っていたのは、年の頃、18、19の、まさに青春真っただ中といった青年だった。僕が何を思ったのかは知らないが、その青年のびくびくとしたどこか不安そうな態度から、僕は何か、自分が女のように震えていることに気づいた。

「この商品のみのご購入でよろしいですか」

 若干震えるような声でわけのわからないことをつぶやく青年。まだ人間一般に対しての接し方がつかめていないのだろう。その挙動不審な様子に軽くインスパイア(?)されながら、ますます不信感を強める僕。何が起きようとしているのだろうか。そんな挙動不審な男の告げる会計の値段を聞いた僕は、さっさとこんなところから出ようと、簡便に問題解決を図ってくれる例の千円札という素敵なペラペラの物質でことを済ませようとした(夏目漱石先生の解決してくれる現実的問題のなんと多いことか!)。

 ところが、ここで、男が問題となるセリフを吐くことになる。このセリフが、のちの命運を決めることになる。さて、そのセリフとは!?

「お手洗いに行ってきたいのですが、少しの間、レジの受付をお願いできませんか?」

 驚き呆れた僕は一瞬言葉も出なかった。

「実は、今日はクリスマスでして、代わりの人員が、ちょうどチキンの配達ではけてしまっているんです。ずっとおしっこしたいと思っていて、でも、誰も代わりの人員がいないから…… 」

 そう言っている間にも、店員の挙動不審の様子が激しくなってきたようだ。挙動不審の正体が明らかになった。ただトイレの精からのしつような要求に急かされていた、それだけのことだったのである。このコンビニは、最初に述べたように、不審者の訪れるという、少々いわくつきのコンビニだが、可哀そうになった僕はこう言った。「いいよ、行ってきな、YOU! ここはおれに任せて、あんたはさっさとおしっこしてきなよ。YOUの穴はおれがしっかりと、埋めてやるぜイ!!」

 僕の言葉に安心した店員は、駆け出すようにして、その場を後にした。さて、その場に残された僕に襲い掛かるさらなる試練とは!!??こうご期待。TO BE CONTINUED!!