気まぐれな更新3

スーツ「ファサッ」男について。
この男はいつもスーツを「ファサッ」と肩にかけて作業している。結構おじいちゃんなのだが、背広がよく似合っており、非常に賢そうな顔をしている。だから、スーツ「ファサッ」も結構さまになってはいる。
ところがである。去年の暮、年賀状の執筆に追われていたおじいちゃんは、年賀状に細かい字を(それも定規で線を引くでもなく、定規を当てながら)書くというかなり神経を使うはずの作業中も、体力の消耗の激しいスーツ「ファサッ」を使い続けたのだ。
この度胸にはおれもいささか驚嘆の念を禁じえなかった。たまにご婦人でスーツ「ファサッ」を使っている方がいるが、そんなもんじゃないよな、と正直その時のおれはしみじみ感じ入った。「プロ」というのはこういうものなのだ。いかなる時にも自分の「フォーメーション」を崩すことはない。自分の「スタイル」、自分の「流儀」、自分の「こだわり」を決して忘れることはないのだ。
スーツを「ファサッ」とさせ続けるおじいちゃんを心から応援したい。共に歩みましょう。